【書】院内書道展
  短鋒筆作品
書&デザインアート/言葉を描く線と色彩
 
右琳の書道スケッチ
   【桜 2007】
りきんの作「行路難」【原文】及び、右琳による【要約と現代口語訳】
制作時・会期中の【関連Blog記事】【関連ページ】へのリンクをまとめています。
■「行路難第31回日本教育書道藝術院書作展 │ 短鋒筆【展覧会】作品 2007.04 セントラル美術館
「行路難」2007.04
 
【要約】「行路難
 
人々が忠義を尽くす対象は私自身ではなく
私が持つ権力に過ぎない。この権力を失えばきっと
したがう者など誰ひとり居なくなるのだろう。
一時の現象に惑わさず、揺ぎ無い信念と共に
歩まなければ、この世を生き抜くことは、難しい。
 
少しばかりの経験で、初心を簡単に忘れたりします。
それは知識や技術を習得することで、怖さや慣れも
一緒に、身に着けてしまうからかも知れません。
まっすぐに進もうとする楽しむ勇気を失えば
この道を行くことは、難しい。

 
日々を積み重ねる時のこの心を持ち寄って
今回の題材に寄り添いました。

 
2007年2月制作 書体:書写体
筆:短鋒筆(王一品) 墨:墨汁
紙:羅紋仙 53*235cm*3枚
Date:2007.04.03  
【原文】「行路難」〔唐〕李りきん
 
漢家名臣楊徳租 四代五公享茅土
父兄子弟綰銀黄 躍馬鳴珂朝建章
火浣単衣繍方領 茱萸錦帯玉盤嚢
 
賓客填街復満座 片言出口生輝光
世人逐勢争奔走 瀝膽惰肝唯恐後
當時一顧生青雲 自謂生死長随君
 
一朝謝病還郷里 窮巷蒼茫絶知己
秋風落葉閉重門 昨日論交意誰是
 
薄俗嗟嗟難重陳 深山麋鹿下為隣
魯連所以蹈滄海 古往今來稱達人
【現代口語訳】「行路難し
 
漢家に仕える俊才、楊徳租ようとくそ
天子より領土を与えられ君主となった。
父兄子弟は高位の印章を付け、
飾り立てた馬で宮中に参るようになる。
襟に刺繍を施した高尚な衣服や、
豪華な袋に高価な皿の調度品を携えている。
 
門前の道が賓客の車で塞がるほど、
座敷は客人たちで溢れ賑わっている。
主君が放つ何気ないひと言が光と輝き
皆はその光りを求め、そのひと言に奔走する。
我先に身を捧げ忠義を尽くすことを考える。
高い地位にいると、こうやって永遠に
皆が従ってくれるものと思ってしまう。
 
けれどもひと度、病気にでもなり
郷里に帰り、この地位を失ってしまえば
むさ苦しく薄暗い巷に知人などはおらず、
このとき門前の道を塞ぐのは
秋風が集めた、落葉のみとなるのだろう。
昨日まで意見を交わした友人すら
そんな所に来ることは無い。
 
この薄情けな世の中を、何度も嘆き語るのは
山奥の鹿が下りて来て
不憫な私に寄り添うほどの物悲しさよ。
昔から、かの魯仲連ろちゅうれんの如く
例えどんな境遇に遭ったとしても、
大海原に身を投じることをも辞さない程の
潔さ、揺るぎない信念を持っている者が
この世を渡る達人と称されるのは
このためである。
 
参考文献:「新漢和辞典」三訂版
/諸橋轍次・渡辺末吉・鎌田 正・米山寅大郎 著/大修館書店
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今回の展示では、ご来場下さった皆さまに
「初心」について伺い
出品作品「行路難」に使用した
王一品という筆でご記帳を頂きました。
 
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